水平線
2008.11.29 Saturday
「下地島」
東京もだいぶ寒くなって来た。今日は暖かい朝だったが、また明日からは寒くなるのだそうである。こんな時は沖縄の暖かさが羨ましい。なので、暖かさを感じる沖縄の水平線写真を集めてみた。これらは、ビーチを歩きながらスナップしたもので、狙って撮った写真ではない。なのにとてもきれいな海と水平線なのだから、あらためて沖縄の亜熱帯の自然の素晴らしさを感じる。
「伊是名島へ向かう」
この写真は昨年の10月に伊是名島へ向かった時のものだ。港に入る直前に現われた屋那覇島の遠景である。水平線上にぽっかり浮かぶ真っ平らな島で、夏になると子供達がキャンプなどしに行くらしい。僕もチャンスがあれば、一度行ってみたい島の一つだ。
「入砂島」
渡名喜島の大岳からみた入砂島の風景。強烈な太陽の陽射しを浴びながら、大岳を歩いて登り切った時に見えたので、思わずシャッターを切った。あとで地図を調べていたら、「入砂島」と島名が判ったのだが、データによっては「出砂島」との表記もあった。どちらが本当の名前か判らないが、数の多かった「入砂島」の方を選択した。
「大岳から」
大岳からの風景がもう一つ。山麓まで降りて来たら現われた呼子浜。とてもきれいな海の色に驚いた。渡名喜島を一周歩くのは、ある意味ビーチセラピーとおなじ様なものである。しかし、ビーチセラピーというのは聞いたことがないけれど・・・。
「八重山諸島の海」
鳩間島に向かうフェリーの上から撮った風景なのだ。海の色が違うよね。この海を想像しながら寒い冬を乗り切ろうと思っている。
「どこだったかな?」
どの島で撮ったのか思い出せない水平線の写真。前後の写真にどこか特徴のある風景が写っていれば、判るのだけれどデジタル写真データでコピー、ペーストを繰り返しているから、元データを見つけなければなかなか思い出せない。水平線と言っても同じような風景ばかりとは限らない。それぞれ海の色や雲の形などで違いが判る。
だから、この写真も覚えていたはずなのだけれどね。なんでかねぇ、忘れてしまった。
気が付いたら円形脱毛症
2008.11.28 Friday
7月から8月にかけて、約一ヶ月の入院生活をしていたせいだと思う。先日。すっきり気分転換しようと思って坊主頭にしたら、円形脱毛していました。なんと四カ所もあります。鏡に映る自分の頭を見て、ただ笑うしかありません。
なので、今日は写真がありません。恥ずかしーっ!
退院してから3ヶ月過ぎているので、脱毛箇所からは毛が生えてきてはいるのですが、それが白髪なので困ってしまいます。反って目立つからです。
点滴ダイエットとかいって、体重が落ちたので喜んでいたら、やはり身体にはストレスだったのでしょう。考えてみれば、いろんな薬品が身体に入っていくので、身体に負担がかかるのは当たり前でした。
あと半年、外出する時は帽子が必要ですね。
宮古島の満月
2008.11.27 Thursday
「ホテル屋上から見えた満月」
2年ほど前、宝島社の仕事で宮古島に滞在していたおりに、宿泊しているホテルの屋上にビアガーデンがあって、毎晩取材後のビールを楽しみに顔を出していた。確か三月だったと思うが、日中はまるで夏のような陽射しの宮古島だったので、オリオンビールと菊の露の提灯が周りを囲む中で飲むビールが本当に美味かった。
この時は伊良部島の上に月は出ていた。
島の上にかかるお月様は南島の情緒たっぷりである。
このように南の島を感じる写真を今日は並べてみようと思う。
「ヤドカリの足跡」
誰もいない砂浜を歩いていると、しょっちゅうこのような跡がついているのを見かける。始めは何の跡か判らなかったが、先日国頭村の「キジムナー」の服部さんに教えてもらった。
ヤドカリが歩いた跡なのだそうだ。貝殻背負って、よいしょよいしょとあちこち歩き廻っている姿を想像すると、なんだか可愛らしく思える。
「サバニの装飾」
サバニも港では最近は見かけなくなったが、ハーリーの時などに並べてあるのを見ると沖縄らしさを感じる。いろいろなマーキングがあり、それを見ているだけでもけっこう楽しい。
「スミレの花?」
なんの花かちっとも判らないけれど、出会うと南の島を感じてしまう花なのだ。
「ひまわり」
意外に思われるかも知れないが、ヒマワリの花にも南を感じてしまう。何でだろう。島と言うよりも、草原の花と言うイメージがあるのにね。
「ヤシの木」
この植物については皆さん南のイメージがあるだろう。じつはこの写真、石垣島のあるレストランの屋上にある植木鉢のヤシの木なのだ。レストランの名前もヤシの木。南の島らしいでしょう。
「ケラマ諸島の夕陽」
那覇で夕陽を見るなら瀬長島がナンバーワンだ。何故なら、瀬長島からはケラマ諸島に沈む夕陽が見えるからだ。遠景で見える島影には自然の雄大さも感じるが、南の島のエキゾチックなところも感じてしまう。夕方になって時間が合えば、天気が良い時はレンタカーで瀬長島に行くことにしている。でもカップルもたくさんいるので、邪魔しないようにしなければならないけれど・・・。
オキナワの底力
2008.11.26 Wednesday
「佐喜眞さん」
沖縄移住したいのだけれど、相談に乗ってくれないかと頼まれることが時々ある。そんな時に最初にアドバイスするのが、仕事はなかなか見つからないということである。安い時給のアルバイトは結構あるのだが、それだけでは生活していけない。
だから自分で仕事をつくる。起業したり、手に職を付けて店を開いたりすることが、沖縄で暮らすには必要なことだと話す。それは、移住者だけではなくてウチナンチュも同じである。そんな中で、いろいろな苦労を重ねたアイディアを持ち、成功させた人たちに出会った。
佐喜眞さんは身体に障害を持っている。負けず嫌いな性格と鉄工所で働いて覚えた技術が上手くマッチして、革新的な補助具を考案して成功している。彼の考案したCBブレースは膝の痛い人にとっては、とても大助かりな補助具である。
「CBブレース」
いまでは怪我をしたスポーツ選手も、この補助具を装着してトレーニングをするようになった。膝の負担を軽減し、早期回復を図るためだそうである。僕たちが取材で訪れた日もある柔道選手が相談に来ていた。
仕事がないとがっかりしてしまう沖縄だけれど、じつは佐喜眞さんのように起業して成功する率が高いのも沖縄なのである。一度失敗しても、二度目、三度目のチャレンジが最もし易い県の断トツナンバーワンが沖縄県なのだ。
東京のように一度失敗したら、周りから手のひら返したように白い目で見られる事はない。「誰でも一度や二度は失敗するさぁ」と南国らしい寛容さが沖縄にはある。
「亜健康を科学する柯彬さん」
沖縄で最も成功しているのは、EM菌を見つけた比嘉照夫先生だろう。元々は土壌改良剤として開発されたものが有害な微生物を抑制することが判り、世界中で利用されるようになった。中国出身の柯彬先生もEM菌に興味を持ち、比嘉先生の話を聞いてEMのウェルネスセンターで働くようになった。ご自身の研究テーマが「亜健康」ということで、センターでは病気にならない身体作りのアドバイスをしている。
血液を拡大して現在の健康をアドバイスしてくれる。血液を見るとその人が今どんな状態なのか良く判るらしい。イビキをかく人、たばこを吸う人、運動不足など血液で一発で判る。
柯彬先生の話では、全体の15%が健康な人で、病気の人は15%、残りの70%が亜健康、つまり健康と病気の間にあるのだという。
健康と長寿の島としてのイメージが沖縄にはあるが、最近のデータでは必ずしも良い数字が出ているわけではない。しかしながら、温暖な島のゆったりとした時間のなかで、いろいろな事業や研究をしていると、少なくとも本土の生活よりは快適かも知れないな。
それが沖縄の強さで、いろんな人が集まってくるから、次に何が生まれるか判らない面白さがある。何かやりたい人は沖縄から始めると上手く行く可能性があるかもですよ。
大好きな島野菜の料理
2008.11.25 Tuesday
「宮古島のアレ」
来年出版する沖縄料理の本の中から、僕の大好きな料理を幾つか紹介したい。沖縄の料理と言えば、必ず揚げ物と豚肉料理が出てくると思っている人も多いはずだ。魚料理も美味しくないと感じる人も少なからずいる。
30年以上沖縄取材している僕だってそう思うこともある。しかし、当たり前だが、ちゃんとした料理人がつくっている店は美味しい沖縄料理が出てくるのだ。自己流で店を始めるウチナンチュが多いので、残念ながら初めて食べて懲りてしまう観光客もいたりする。
本土の料亭でしっかり和食を勉強した料理人がやっている料理屋や居酒屋に行けば、沖縄料理も魚も美味しいことが良く判る。
最近見つけた店では美栄橋駅近くの「抱瓶」がすごく良かった。宮古島の「新宿みみ」以来、久しぶりに出会った沖縄の食材を美味しく食べさせてくれる店なのだった。
上の写真は宮古島の料理で、シマンチュがおつまみにパッと作って食べる、カジキを酢みそで和えた刺身である。これが大好きで、抱瓶に行ったら料理長に「宮古島のアレ」と注文するとパパッと手早く作ってくれる。一度皆さん試して見て下さいね。
「島らっきょうの味噌漬け」
島らっきょうもよく食べる。一度大病をしているので、血液に良いと言われるらっきょうは、必ず注文してしまう。天ぷらや塩漬け等の簡単な料理が多いけれど、一手間加えた味噌漬けも美味しい。
「ゴーヤーの炒飯」
ゴーヤーは沖縄を代表する島野菜だが、苦いのが嫌いな人からは敬遠される野菜でもある。あの苦みが良いんだけれど、好みなので仕方がない。僕はけっこう好きでゴーヤーチャンプルーもよく食べるが、抱瓶で初めて食べたのがこのゴーヤー炒飯である。撮影した後で、スタッフ全員で残さず食べてしまったぐらい美味しかった。ゴーヤーのほんのりとした苦みを上手に残して上手く炒飯に絡めてある。
「ゴーヤーのかき揚げ」
ゴーヤーはかき揚げにしてもいける。むしろ苦いのがちょっと、という人にはこちらの方なら食べられるかも知れない。まぁ、無理矢理食べろとはいわないけれど、コロモの甘みとほろ苦さのコントラストを一度経験しても悪くはないだろう。
「大根のジジキ」
「ジジキ」は漢字で地漬けと書くらしい。いわゆる黒糖漬けのことである。僕の最も好きな沖縄料理の一つなのだが、これをメニューにのせている店はほとんどない。ウチナンチュに聞くと「家庭料理だから店には出さんさぁ」ということらしい。
沖縄で発酵食品というと、泡盛、豆腐ようとこの地漬けぐらいしか思いつかないが、それぞれの家庭で味が違っているお漬け物が沖縄にもあるのだ。僕は沖縄タイムス常務の与儀さんのオバァが漬けた「ジジキ」が一番好きだった。いろんなハーブやニンニクなどで味漬けされていて食べると元気がもらえた。未だにあれ以上の「ジジキ」には出会っていない。
那覇の自販機
2008.11.24 Monday
「牧志のカフェ・ストリート」
一度取材させてもらったカフェに、なんとなく那覇に行くたびに顔を出すようになった。オーナーが大阪からやってきた若者で、コーヒービジネスにアイディアを持って頑張っている姿に共感しているからかも知れない。
今回もちょっと顔を出して来た。
西町の定宿から散歩がてら牧志の公設市場まで約30分歩くと、沖縄ではこの季節でもアイスコーヒーが飲みたくなる。僕だけではなくて、隣の客もアイスコーヒーだった。暖かいよね沖縄は。
「レンタカー店内の自販機」
いつも那覇で借りているレンタカー、小型車が保険代込みで、一日3000円だ。観光客が増えたので、以前にましてレンタカー屋が増えた。だから連休シーズンを外せば安く借りることも出来る。あちこち電話して安くなるレンタカー屋を探すわけだが、これまでの経験では地元資本のレンタカー屋が安い。
でも時間がない時はある旅行会社に頼むことにしている。それが上記の3000円というわけだ。だからもっと安い時もある。これから個人旅行が増えてくるし、来年は厳しい経済状況が予想されるので、このようなちょっとした沖縄旅行情報はこれから必要になってくるだろうね。
「懐かしのチェリオ」
最近は古い自販機を見つけると心がときめくのだが、沖縄でも地方でもあまり見かけることは無くなってしまった。しかし、那覇でチェリオと書かれている自販機を見かけた。チェリオと言えば、僕には懐かしい清涼飲料としての記憶がある。この自販機を見て、HPを見たらまだまだ商品が全国で販売されていて、過去の飲み物ではないことが判った。
でも懐かしいイメージの自販機の形だ。それが狙いなのかな。
「シーサーと自販機」
暖かい那覇の夜、気持よく酔いながら歩いているとシーサーが護っている自販機があった。というより、そう見えると言った方が正確だな。上の写真のシルエットがシーサーである。何かご利益がありそうなので、ポカリスエットを一本買った。
「反対側から見ると・・・」
「西町の自販機」
夜の那覇はある意味、昼間よりも楽しくて元気だ。「那覇の夜を知らずして、沖縄を語るな」といえるかな。本土の夜と沖縄の夜では密度が違う。居酒屋なんて、以前は午後10時過ぎから客が込み出していた。
それが今ではウチナンチュもあまり飲まなくなり、寂しい夜になりつつある。ちょうど今が時代の境目かも知れないね。だから元気な那覇の夜を、今のうちに精一杯遊んでおいた方が良いと思うよ。
首里でのオリジナルプリント展
2008.11.22 Saturday
「オリエンタルホビーのギャラリーで」
そういえば、沖縄・首里のオリエンタルホビーでオリジナルプリント展をしたことについて、まだ詳細をアップしていなかった。10月24日から一週間、僕の写真コレクションを展示し、25日の土曜日にはこれらのプリントについての解説を1時間行ったので、その時の様子を紹介します。
オリエンタルホビー・小倉さんの大奮闘で写真はギャラリースペースにきれいに展示され、小さいけれども雰囲気の良い空間になっていった。
写真展前夜には飾り付けが終わってホッとする。
あとはどれだけの人が見に来てくれるかだが、沖縄ではまだまだ写真のオリジナルプリントについての情報が不足しているので、フライヤーのタイトルを見て「オリジナルプリントって何ですか?」という質問が多い。
まぁこの手の質問は写真に興味が無い人なら、東京でもNYでもするだろうから別に気にはならない。興味の無い人でも、「これは何だろう」と関心を持ってくれるようになれば、沖縄でオリジナルプリント展をやった甲斐があるというものだ。
僕のサボテンプリントも、お気に入りのサボテンの額に入れて展示した。
ところが、これが人気が高く、ギャラリートークではプリントについて、いろいろ質問が来た。銀塩プリントにはコアなファンがいる事がこれで判った。多分このタイプのファンは沖縄だけではないと思う。
ギャラリートークに来た客達は、予想に反して中高年が圧倒的に多かった。僕は若い人が米国の著名な写真家達のプリントに興味を持つと思っていたが、会場にやって来た人々は、アマチュアカメラマンのグループだった。
写真家を目指す若い人たちには、有名写真家の本物のオリジナルプリントを見て、何かを感じてもらいたかった。しかし、東京でも写真展に来る人は少なくなっており、那覇の首里に果たして何人の人がやってくるのか、期待と不安が交雑した写真展前夜でもあった。
結果的に、一週間の写真展には100人が訪れた。オリエンタルホビーのギャラリーがオープンしたばかりということを考えれば、まずまずの数字だろう。沖縄の人たちは写真好きが多いので、質の高い写真ギャラリーとして認知されて欲しいところだ。
武蔵小山の路地裏
2008.11.21 Friday
「路地裏の飲屋街」
とにかく安くて美味しい居酒屋があるから、武蔵小山で打ち合わせしようよ、と旧知のライターさんに誘われて、のこのこと出かけていった。東京での生活は長いけれど、武蔵小山の駅で降りたのは初めてだ。待ち合わせの時間にはまだ早いので、駅前をカメラを持って歩くことにした。
想像していたよりも下町の風景が残っている町だ。駅の目の前に、開発計画から取り残されたような、居酒屋やスナック等の集まる狭くて細い路地裏がある。僕の大好きな風景だった。昭和の香りがプンプンするような店がたくさん残っている。
まだ時間が早いので開いているお店は少なかったけれど、開店準備をするご主人やママさん達が店の前で立ち話をしたり、掃除をしているので人通りはある。路地裏は細い道だが、けっこう綺麗に掃除され片付けられていて、飲食店のコミュニティーがしっかりしているのだなぁ、と感心した。
武蔵小山駅の反対側には高校があって、こちらとはまた違った風景になっている。学生服姿の高校生達が元気良く歩いている。しかし、夜になればこちらの方が賑やかな大人の世界だ。昼と夜では全く違う姿を見せる武蔵小山の街ということになる。
さて、せっかく路地裏を歩くのだから、いつものように自販機を探して撮影することにした。近頃は自販機も同じような機種ばかりになってしまい、珍しい機種を見つけた時の「トキメキ」を感じることも少なくなってしまった。ところが、先に書いたように昭和の風景が残る街だ。やはり残ってました古い自販機。
「ミネラルアイスの自販機」
ほんとは古くないのだろうが、ここで見ると何故か古く見えてしまうアイスの自販機だ。スナックなどで氷が切れた時に、買いにくるのだろうな。飲食街のど真ん中にありました。
さらに、商品数の少ない自販機もあった。
この自販機はおしゃれな色で、背景の壁の絵に合わせた色になっていた。いろんな自販機を見て来たけれど、たまにこのように独自のアイディアを盛り込んだ自販機がある。どのようにしているのだろう。自販機会社にお願いして作るのだろうか?
駐輪場横にぽつんと置かれた自販機に夕陽があたる。
ところで、ライターさんお勧めの居酒屋だが、老舗の店らしい雰囲気の店であった。調理場を取り囲むコの字型のカウンター席は、四時には常連さんで満席になっていて、壁際に置いてあるベンチシートも、席の空くのを待つお客さんで一杯になった。酒肴は110円、200円が中心である。ホッピーと110円の人気メニュー「トンコロ」を頼めば、500円でお釣りがくる。残念ながら店名と場所は教えられないが、安くて美味しい居酒屋だから人気になるのは当たり前だね。
調理場のおばちゃんが注文を取りにくる。ライター氏の一言が面白かった。「あのおばちゃんを初めて見た時は16、7才に見えたんだよなぁ」という。彼は一体いつ頃からこの店に通っているのか、と不思議に思った。
一杯飲んで外に出たら、隣の自販機横で中年男性が品定めをしていた。その姿に武蔵小山の街が重なって見えた。
ヤンバルの自販機
2008.11.17 Monday
「ヤンバルの森の自販機」
自販機の写真は面白いね、という人たちから沖縄の自販機写真もそろそろやってくれと連絡が来た。そういえばここのところ自販機の写真をアップしていない。
当然ながら沖縄でも、自販機を見かけたら写真を撮っていたので、ヤンバルの自販機から紹介して行きましょう。上の写真は国頭村の森林公園で見かけた自販機である。
沖縄の最高峰は与那覇岳だが、そこに向かう林道沿いにあるのが森林公園だ。ヤンバルの森の中にまで電線が引いてあるので驚いたが、森の中にはけっこう人家があって、生活をしている人たちがいる。ヤンバルの森は自然林ではなくて、人の手が入った人工林と聞かされて二度ビックリした。それなら森の中に人家が多くても納得出来る。
「金武の自販機」
昨日のブログにも書いたが、ヤンバルの東側は金武町までが含まれるらしいので、この自販機もヤンバルの自販機ということになる。ヤンバルは森というイメージなのだが、実際には町の風景もあるわけだ。
11月になっても入道雲が見られる沖縄の空に、コカコーラの赤い自販機がポツンと一台道ばたに立っている。これもヤンバルの風景、と言われてもピンと来ないよね。
コンクリート住宅が多い沖縄の町なので、田舎も都会も建物だけは変わらない。本土のように、田舎に行けば木造家屋が多くなって風景が変わり気分も変わる、というのは沖縄本島に限ってはヤンバルの森ぐらいしか無い。
赤瓦の屋根の家だって、戦後の家なのだそうである。戦争前は茅葺きの家が沢山あって、ヤンバルの森に溶け込んだ風景は、とても情緒があったとオジィやオバァから聞かされた。
国頭村の奥集落に、茅葺きの家が残っていると聞かされて訪ねてみたが、残念ながら無くなっていた。名護の不動産屋の壁に、その絵が飾られているというので見に行った。昔の沖縄の田舎風景は確かに情緒たっぷりだ。もう見られないのが残念である。
ヤンバルドライブ
2008.11.16 Sunday
「伊江島遠景」
取材の合間に一日空き時間が出来たので、ヤンバルをドライブして来た。以前、ビーチの本を出版するので、北部の海岸沿いをドライブしていたのを思い出した。そのとき知ったのだが、ヤンバルは西海岸は恩納村、東海岸は金武町まで含まれるとのこと。
名護より北の森だけがヤンバル、と思っていた僕にはちょっとした驚きだった。
そういえば、ヤンバルは最近の移住者に人気の地域になっている。特に本部半島には移住者達が開店したレストランやカフェが集まり、観光客や地元の人々からの支持を受けて繁盛している。写真のような風光明媚な場所に、美味しいレストランがあればドライブのついでに立ち寄りたくなる。
「瀬底島遠景」
本部町の丘の上からは瀬底島もよく見えた。しかし、瀬底島は大騒ぎになっている。開業を予定していたホテルが、建設途中で倒産してしまったからだ。採用を予定されていたスタッフたちも驚いただろう。アメリカ発の金融問題がこんなところにも影響している。
「あかばな」
南国のリゾートでのんびりカフェをしながら暮らすというのは憧れでもあるが、年金暮らしの片手間でという店はやはり厳しいようだ。というのも、最近のカフェやレストランは、腕のあるシェフや欧州で修行を積んだ料理人がレベルの高い店を開店していて、憧れや思いつきでオープンした店では競争出来ない。
それでも、儲からなくても南国で楽しく老後を年金暮らししたい、という人たちは後を絶たないようで、本部町や今帰仁町を訪ねるたびに新しい店を見かける。
「名護の夕陽」
あちこち立ち寄りながらドライブをしていたら、あっという間に夕方になってしまった。名護のかりゆしビーチまで来た所で、夕陽が水平線に落ちて行く時間を迎えたので、車を止めしばらく夕陽を眺めることにした。いつ見ても沖縄の夕陽は素晴らしい。ちょうどグラスボートがポンツーンに戻ってくるところだった。
海のオゾンを一杯浴びながら暮らすのも良いかも知れないな。いろんなセラピーがあるが沖縄のビーチを歩くだけで効果があると思う。ストレスの多い都会暮らしを離れ、心理的に楽に暮らせそうな沖縄の人気は、やはりこの自然があるからだ、と思った。
珊瑚礁と南光
2008.11.14 Friday
「本部町の泡盛」
今回紹介するのは、本部町八重岳の麓にある山川酒造所だ。沖縄の泡盛酒造メーカーは小規模な所がほとんどで、だいたいが家族で経営している。山川酒造も従業員数は少ない小規模な酒造所である。
ヤンバルの山の水を仕込み、「珊瑚礁」というブランドの泡盛を作っている。僕たちが取材で訪れた時は、工場長の古堅さんが案内してくれた。
「工場長の古堅さん」
ところで、僕がこの山川酒造に興味を持ったのは、「珊瑚礁」というネーミングからだ。
いかにも沖縄の泡盛らしいブランド名なので、どんな人たちが作っているのか会ってみたかった。
「従業員の皆さん」
工場は満名川沿いにあった。思ったよりも小さな工場で、従業員の方達はヤンバルの森の空気の中でのんびりと仕事をしていた。沖縄本島の中でも海のきれいな本部町だから、珊礁礁というブランド名も成り立つのかもしれない。
ところで、古堅さんたちの泡盛は、大きな瓶に入れられてじっくり熟成されている。クースー(古酒)として出荷されるのを、数年間じっと瓶の中で待っているわけだ。その泡盛からは、独特で芳醇な香りが溢れ出ていた。この香りだけでも美味いのが判るような気がする。
「珊瑚礁」
確か泡盛を海底貯蔵している会社があったはず。その中に珊瑚礁も含まれていると思ったが、イメージはぴったり合う。まだ飲んだことは無いけれど、さらに海底貯蔵された珊瑚礁の古酒をぜひ飲んでみたいものである。
「神谷酒造」
山川酒造は北部の本部町にあるが、南光という泡盛ブランドを持つ神谷酒造は南部の八重瀬町にあった。電話をして訪ねて行ったら、さとうきび畑の真ん中に工場があるので驚いた。
南光は、那覇の竜宮通りにある居酒屋「小桜」のご主人に勧められてからファンになった。飲み易い優しい味の泡盛なのである。僕はいつも、初めて泡盛を飲む女性には南光を勧めている。
今回神谷さんにお会いして、その優しい味の理由がなんとなく理解出来た。もちろん作り方にその秘密があるのだけれど、それ以上に優しい人柄だった。忙しい作業の合間に丁寧に泡盛作りを説明してくれて、その間の照れくさそうな笑顔が印象的だった。この人が作る泡盛なら優しい味がするのもうなづける。
「作業中の神谷さん」
「蒸したお米」
泡盛はタイ米を原料としている。米を蒸し上げ、黒麹菌で発酵させたもろみを蒸留するとできる蒸留酒である。どの工程でも温度管理がとても重要なので、神谷酒造でもつねに温度チェックを行っていた。
「南光」
泡盛各社のラベルは明るく楽しいものが多いけれど、南光は黄緑とブルーが特徴的なので、酒屋に並んでいてもすぐ判る。
「ご家族で製造している」
最後にご家族での集合写真をお願いした。神谷酒造も沖縄の酒造所らしく、工場の経営はご家族で行っていた。大変な時期もあったと話されていたが、他の酒造所で修行をしながら、神谷酒造ののれんを守って来た。
これからも優しい味の南光をさらに美味しくして欲しいものだ。
龍と春雨
2008.11.12 Wednesday
「金武酒造」
二月に清流出版から出す沖縄料理の本で、料理に合う泡盛の紹介をする
事になった。沖縄には離島も含めて、48の酒造所があるのだが、今回紹
介出来るのは、頁の関係でその中から5酒造所に絞った。
今日は取材した酒造所のうちの2社を紹介しようと思う。
まず金武酒造は、その名前の通り金武にある酒造所である。ここの泡盛
プランドは「龍」、それから何よりも有名なのが、観音寺境内にある鍾
乳洞で貯蔵している古酒である。
「鍾乳洞の中」
10数年前に、観音寺境内で金武酒造が鍾乳洞に泡盛を貯蔵するので、大
きな宴会を開いたが、その時はこんなにたくさんの泡盛が鍾乳洞に入る
ようになるとは思わなかった。
現在は一升瓶1万本の泡盛が預けられているという。
「5年後の楽しみ」
五年間鍾乳洞で熟成された泡盛は、宅配便で本人の手元に届けられるの
だが、待ちきれなくて時々のぞきにくる人もいるらしい。僕は今年の春
に、友人に届いた鍾乳洞の泡盛を飲ませてもらった。
やはり古酒は美味しい。
友人は今年もまた預けると話していた。
「龍」
「金武の観音寺」
沖縄にお寺は珍しい。
「宮里酒造」
泡盛好きの方なら「春雨」の名前は聞いたことがあると思う。
僕の知る限り、プレミアがついて売られている泡盛は、「泡波」と「春雨」
だけである。波照間島の「泡波」は生産量が少ないので判るのだけれど、
「春雨」は宮里社長に聞いたら、生産量も多いのでプレミアがつくのは不
思議と漏らしておられた。
「春雨」
理系出身の宮里社長の泡盛にかける情熱は素晴らしく、今回の取材では
来年発売予定の新製品の試飲までさせていただいた。
残念ながら、僕は車の運転があるので呑めなかったが、一緒に行ったラ
イター氏はしっかり味わっていた。すっきりしていて美味しいとの感想
を持ったようである。発売が楽しみになった泡盛プランドである。
「宮里社長とスタッフ」
一番背の高い方が宮里社長さん。帰り際に、会社の敷地にあるマンゴーの
木が来年は実を付けるはずなので、その頃にまた来て下さいと笑顔で見送
ってくれた。
那覇空港のすぐ近くにある宮里酒造所だが、一切看板は出ていないので、
何か理由があるのだろうかと思って聞いてみたら、創業以来看板は出した
事が無いとのこと。理由は昔からそうなのでとのことであった。